× ゲノム編集による品種改良 ルール作りの議論加速を

2017年07月09日(日)毎日新聞 下段社説 ゲノム編集による品種改良 ルール作りの議論加速を
http://mainichi.jp/articles/20170709/ddm/005/070/023000c
>まずは、ゲノム編集で作られる農産物の性質を、遺伝子レベルと個体レベルの両方で精査することが必要だろう。カルタヘナ法は生物多様性の観点に基づく法律だが、食の安全の観点からも検討を進めることが必要だ。
>日本は遺伝子組み換え作物に対して慎重な見方が強かった。ゲノム編集について、一般に理解が進んでいるとは思えない。市民へのわかりやすい情報提供が欠かせない。

 

了解しかねる。

 

遺伝子組み換えによる弊害だけ、薬の副作用や放射能被害などとは全く違って、最初の最初っから情報提供できるというものではないだろう。

むしろ、遺伝子組み換えによる弊害のほうが、もしあるとすればの話であるが、その弊害の因果関係を特定するのに時間がかかるように思われる。

この手の問題は、未知の領域に勇気や誠実さや責任感をもってどう切り込んでいくか、未知の問題に素早くどう的確に対応していくか、という、どんな人間にとっても本源的な問題である。

自分の頭でいろいろ考えれば、当然、幾つかの具体的な選択肢に辿り着くはずである。

有用ではない遺伝子を破壊し、有用な遺伝子(だけ)が発現するようにした遺伝子組み換え生物の場合、少なくとも人間にとっては有用なはずだと予想し未知の危険を覚悟しつつも一歩進んでみるか、臆病風に吹かれて様子見するか、の選択肢しかない。

そして、未知の危険を覚悟しつつも一歩進んでみる人たちがいない限り、有用な情報提供もあり得ない。

残念ながら、日本の報道人が考えているような「安全」やそういう状況下での「情報提供」は論理的に矛盾しており、どちらかがあり得ないのである。